〜エピソード17〜

 

 

 

 

 

時間の経過と共に、状況は悪くなる一方だった。

更に高くなった熱に苛まされながら、ネスはゴツゴツとした岩壁に背中を預けつつ、乱れた呼吸を繰り返している。

そんな彼の前には、微動だにせず祈る仕草を続けているポーラの姿があった。

彼女は既に何時間も“テレパシー”を続けている。霞む視界の中で見える彼女の顔には、疲労の色がハッキリと浮かんでいた。

それでも一心に助けを求めているポーラに、ネスが出来る事と言えば邪魔をせずに集中させてあげるくらいしかない。

だから悪化していく容態に対して必死で耐えていたのだが、流石にそれももう限界に近かった。

まるで全身の血液が沸騰したかのようで、その熱による痛みが身体の彼方此方を襲う。喉がカラカラに渇き、声を出す事さえ苦痛でしかない。

――ひょっとして……僕、死ぬの……?

今までに経験したことの無い風邪の症状に、ネスはそんな事を考えた。これまで風邪をひいた事は何回もあったが、大抵はすぐに治り、寝込むことすら稀であった。

だが今は立つことはおろか、こうして座っていることさえ辛い。それ程までに、今のネスは衰弱していた。どちらかといえばタフと言ってもいい、精神までもが弱るくらいに。

「……あっ……」

「っ……ポーラ……?」

不意に祈る仕草を崩して両手をついたポーラに、ネスは絞り出すような声を出す。

「大……丈夫?」

「え、ええ、大丈夫。ちょっと疲れただけよ。それよりネス、貴方の方が……」

「僕なら……平気だよ……何もしないで、休んでるんだから……」

気遣うポーラにネスはそう返すが、こちらを見る彼女の瞳は不安に揺れている。

無理もない事だった。荒い呼吸と途切れ途切れの声で言っているようでは、何の説得力もない。

とはいえ、今のネスには作り笑いをするだけの余力も残されていなかった。こうしてポーラと話しているだけでも、徐々に体力が減っていく感じさえ覚える。

すると、ポーラはそんな彼に歩み寄ると、額に浮かんだ大量の汗を片手で拭う。そして、まるで母親が赤子を労わるような口調で言った。

「ネス、もう少しだけ辛抱して。多分だけど“テレパシー”届いてると思うの。だから……っ!?」

「?……どうしたの?」

突然立ち上がり、天井を見上げたポーラに、ネスは訊ねる。

「……感じる……すぐ傍まで……」

「えっ?」

その言葉に、ネスも天井を見上げた時だった。突然、天井全体が揺れ始め、岩の破片や砂が至る所から落ちてくる。

そして次の瞬間、凄まじい音と衝撃と共に天井が崩れ落ち、大きな球体のマシンが落下してきた。

「きゃああっ!?」

「っ!……ポーラ!!」

悲鳴を上げたポーラを守るべく、ネスは気力を振り絞って身体を動かし、飛び散る天井の破片から彼女をカバーする。

幸いにも天井全体が瓦解することはなく、地面へと墜落したマシンの真上に大穴が開いただけで衝撃は収まった。

――あそこから脱出する事が出来るかも……いや、それよりもこれは……?

すぐに意識をマシンへと戻したネスは、ポーラを自分の後ろへと押しやり、マシンを睨め付けた。

結構頑丈な作りをしているらしく、墜落した衝撃で下部を破損しているが、全体としてみれば損傷は少ない。機械に疎いネスにでも、かなり高性能なマシンだと見て取れた。

「まさか、これ……ギーグの刺客じゃ……」

「そ、そんな……そんな事……」

恐怖と緊張に包まれながらネスとポーラが呟くと、マシンの上部が開かれる。万が一に備え、身構えた二人に少年らしき声が聞こえてきた。

「テテテ……全く、この手のマシンは安全性が最優先で考慮されるもんだろうに。これじゃ着陸じゃなくて墜落だっての…………あっ」

一人の少年が、悪態を付きながらマシンの中から顔を出し、二人を見て動きを止めた。

―――ポーラと同じ、しかし少し乱れている金髪。分厚い眼鏡の奥から見える、知的な輝きを放つ眼。

そんな切れ者のイメージを感じさせる少年は、ネスとポーラの顔を交互に見やり、数度眼を瞬かせる。そして、気まず悪そうに指先で頬を掻きながら、おずおずと言った。

「あの……そんなに警戒されると、結構傷つくんだけど? 君らに呼ばれて、僕は遥々やってきたんだぜ?」

「っ……君は……誰だ?」

片腕を広げてポーラを守りながらネスが呟くと、少年は一つ溜息をついた後に口を開いた。

「僕はジェフ。君がネスだね?」

「えっ? 何で僕の名前を?」

「何でって、そりゃあ“テレパシー”で聞こえたからさ。そう、そっちの女の子が送ってきた、ね。……君がポーラだろ?」

「あっ……え、ええ」

ポーラが頷くと、少年――ジェフは「へえ」と感心した様子で声を上げる。

「驚いたな、頭の中に聞こえてきた声そのものだ。ははあ……こうして直接聞くと、改めてあの“テレパシー”が本物だったって分かるぜ」

「っ……良かった……ちゃんと届いてたのね。ありがとう、ジェフ。私の言葉を信じて、ここまで来てくれて……本当にありがとう」

ポーラがホッとしたような笑みを浮かべ、ジェフに礼を言うと、彼は一瞬戸惑いの表情を見せた。が、すぐにそれを打ち消すと、大袈裟な咳払いをした。

「ゴホン……ま、今は詳しい説明はいらないよ。とりあえず、ここから出……る前に、ちゃんと自己紹介しとくか。フォギーランドのウィンターズにあるスノーウッド寄宿舎の寄宿生。力は弱い、眼は強度の近視。怖がりで無鉄砲……それが僕さ。こんなだけど、仲間に入れてくるかな?」

「勿論。そうよね、ネス」

「あ、ああ……うん、当然さ。よろしくね、ジェ……っ!?」

友好の挨拶として、ネスがジェフに握手を求めようと手を伸ばした途端、強烈な眩暈が彼を襲った。

「っ!? お、おい!?」

「ネ、ネス!?」

焦った様に叫んだ二人の声が、どこか遠いものに聞こえる。

おそらく、ジェフが紛れもない仲間だと分かり、先程までの緊張感が解けてしまったのだろう。朦朧とした意識の中でそう考えた直後、ネスの身体は力なく前方へと倒れこんでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、まあ……とんだ災難だったな」

「……ええ」

ベッドの中で心底疲れ切った様子で横になっているポーラは、椅子に腰かけて苦笑しているジェフの言葉に頷いた。

「まっ、今日一日は安静にしとくんだね。その状態じゃ、動くのも苦痛だろ?」

「そうね、そうさせてもらうわ。ネスもそれで良いでしょ?……あら」

ポーラが首を動かして隣のベッドを見てみると、ネスは既に寝息を立てて眠っていた。きっと、今までの疲れが一気に襲ってきたのだろう。

そう思うと自然にネスの身を案じるポーラだったが、彼の顔色は随分と良くなっている。この分なら、心配は無用なのかもしれない。

――やっぱりお医者さんに診てもらって良かったわ。ジェフの判断力のおかげね。

ジェフの持っていた“ちょっとカギマシン”で地下から脱出した三人――正確に言えばポーラとジェフは、気絶したネスを抱えて病院へと向かった。

その際に感じたネスの異常なまでに高い体温から、彼が相当危険な状態なのが嫌でも理解できた。そんな彼を見て、素早く決断を下したのがジェフだった。

「ポーラ、君もだけど、まずは病院で診てもらおう。監禁状態だったんだし、まずは身体を癒さないと」

その言葉が正しかった事は、すぐに証明された。

病院での検査で下されたネスの容態は、あくまでも単なる風邪。ただ、ネス自身が激しい衰弱状態だった為症状が重く出たようで、もう少し治療が遅かったら命に関わったかもしれないとの事だった。

それを聞き、ポーラは初めて自分とネスがあの地下に閉じ込められていた時間の長さを知った。自分がジェフにテレパシーを送っていたのは数時間程度だから、大部分は気を失っていた事になる。

そしてネスは、捕まる前にゾンビ達と戦っていたとも言っていた。更に言えば、その前に調査と言って墓地の奥へと向かい、そこでも戦闘をしていた筈である。

疲労とダメージが蓄積していたのは間違いなく、その上での監禁だ。前に自分がハッピーハッピー教に捕まった時の状況よりも、遥かに過酷だっただろう。

――それでも貴方は、私の事を気遣ってくれてたわね。……嬉しい反面、ちょっと心配でもあるわ。もう少し、自分を大切にして欲しい……。

軽い衰弱程度だったポーラは、ぐっすりと眠っているネスの顔をまじまじと見つめる。が、ふと視線を感じてジェフの方へと首を向けた。すると彼は、苦笑交じりの表情でこちらを見ていた。

「ジェフ? 何?」

「いや……ひょっとしたら僕、お邪魔なんじゃないかなって」

「お邪魔?……っ!? ち、違うわ! わ、私とネスはそんなんじゃ……!」

「あ〜了解了解。だから、そんな大声出さないで。身体に障るし、せっかく眠ったネスが起きるよ?」

「あっ……」

思わず上半身を起こして反論してしまったポーラは、ハッとして口を手で押さえ、恐る恐るネスを見る。しかし幸いな事に、彼は相変わらず深い眠りについたままだった。

「ふう……良かった」

「まっ、この調子じゃ明日の朝まで起きないだろうよ」

「そうね、そうしてあげたいわ。じゃあ、ジェフ。あんまり上手く説明出来ないかもしれないけど、私達の旅の目的を……」

「ああ、それなら明日聞くよ。だからポーラ、君も寝た方がいい」

「えっ? で、でも、これは大切な……」

「分かってるって」

思ってもみなかったジェフの返事をポーラが身を乗り出すと、彼はそれを制するような手振りと共に言う。

「僕だって、詳細も分からない旅なんて不安さ。でも、どんな旅だって焦っちゃ良い結果には繋がらないと思う。だからさ、明日になって君もネスも元気なってから、じっくり聞かせてくれよ。……安心してくれ。遥々、他国までやってきたんだ。どんなに過酷な旅だって知っても、今更逃げ帰ったりはしないさ」

「ジェフ……っ……ありがとう」

「お礼なんていいって。状況から判断して、当然の事を言ったまでで……」

「ううん、違うの」

ジェフの言葉を遮り、ポーラは首を振る。そして、虚を突かれたようなキョトンとした眼でこちらを見やった彼に笑顔を向けた。

「気遣いの事ではないの。勿論、それはそれで凄く嬉しいけど……テレパシーなんて、普通なら信じられないようなものを信じて、こうして私達の所まで来てくれた。そのおかげで、私もネスも助かったの。そして、これからも一緒に頑張ってくれると約束してくれた。貴方みたいな人が仲間で良かったと、心からそう思うの。だから……ありがとう」

「っ……お安い御用さ、気にするなって」

再び苦笑しながら、ジェフはそう返事する。少し照れているのか、その顔には僅かな赤みがあった。

――ネスもだけど……本当に素敵な仲間だわ。これならきっと、世界も……ふわ……。

不意に眠気が襲ってきて、ポーラは小さな欠伸をする。と、その声が聞こえたらしいジェフが、からかい混じりに言った。

「ほら、ポーラ。ネスに比べれば大したことないとはいえ、君だって弱ってるんだ。もう寝なよ。夜更かしは肌に悪いぜ?」

「クス、そうね……あ、ジェフ、貴方は?」

「僕はもう少し起きてる。やりたい事があるんだ。おっと、心配はいらないよ。僕、日頃からしょっちゅう夜なべしてるから。だから遠慮なく寝てくれ」

「そう……じゃあ、ジェフ……また、明日……」

襲ってきた睡魔は、想像以上に強かったらしい。

最後まで言い終える事が出来ずにポーラの瞼は下がり、そのまま瞬く間に彼女は眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室の片隅に備えられた簡素な机に向かい、ジェフは作業に没頭していた。

机に上には、トニーから渡された包みの中身――ガラクタやパーツがバラまかれている。今、彼はこれらを組み立て、今後の旅に役立つグッズを開発しているのであった。

「とりあえず、“バンバンガン”だけじゃ不安だから新しい銃を……それに“ペンシルロケット”もいくつか……複数を束ねるのはまだ先として、当分は一本のみの奴を作っとくか。後は……そうだな、何かサポートグッズの一つでも用意しておいた方がいいな。となると、こっちの壊れているアイロンを……」

作業中に自然と独り言が漏れてしまうのは、科学者の性のようなものだ。ジェフは勿論の事、寄宿舎の皆も大抵はそれに当てはまり、故に誰かから咎められた事も無い。

だからつい、いつもの調子でブツブツと呟いていたのだが、不意にベッドの軋む音と共にネスの呻き声が聞こえ、ジェフはハッと我に返った。

「あ、マズイ……」

「う〜ん……?……ジェフ?」

上半身を起こしたネスは、寝ぐせだらけの爆発した頭を掻きながら寝ぼけ眼でジェフを見る。

かなり回復したのか顔色は良好だったが、そこには眠りを妨げられた事による不快感がありありと浮かんでいた。

「わ、悪い、ネス。起こしたか?」

「ううん……別にいいけど……何してるの? こんな夜遅くに」

「あ、ああ……色々と作業をな。これからの旅で、必要になるだろうと思って」

「ふうん……」

こちらの言葉が耳に入っているのかいないのか、ネスは曖昧な返事をする。

その後、ふと視線を動かして、隣のベッドで眠るポーラを見た。そして数度瞬きをした彼だが、突然眼を見開いたかと思うと、驚愕の表情を浮かべながら仰け反った。

「うわあっ!?」

「ど、どうした、ネス!?」

「な、な、な……なんでポーラがこんな所で寝てるの!?」

「……はあ?」

あまりにも間の抜けた質問に、ジェフは掛けている眼鏡がズレ落ちるのを感じる。慌ててそれを掛け直しつつ、彼は言った。 

「なんでって……今更何言ってるんだ? 数時間前に一緒に担ぎ込まれただろ?」

「え? あ……そ、そうだったっけ? なんか頭がボンヤリしてて……良く覚えてない……」

「ああ、ま、それもそうか。君、かなり衰弱してたみたいだしな。……で? ポーラが隣に寝てるのが、なにか不都合なのかい?」

からかいの口調で、ジェフはそう言った。この言葉に、ネスが顔を真っ赤にして動揺するのを期待して。

しかし、そんなジェフの思惑とは裏腹に、ネスは心底困った様な表情でポーラを見やった。

「ポーラの小父さんから言われた……いや、手紙で頼まれててさ。ポーラとその……一緒の部屋で寝る事はしないようにって」

「は?……あ、ああ、成程」

ネスの言葉に、ジェフはまだ会った事の無いポーラの父親の性格を、瞬時に把握した。同時に、ネスの妙な気真面目さに苦笑する。

「けど、そんな事わざわざ言わなけりゃ、バレないだろ? 気にしすぎじゃないか?」

「それは、そうだけど……一人娘を預かった以上、なんか……申し訳ない気がして……」

「は〜〜……」

呆れとも感嘆ともつかぬ溜息を、ジェフは漏らす。そしてチラリとポーラの寝顔を一瞥し、心の中で呟いた。

――ちょっとズレがあるみたいだな、この二人の気持ちには。まあ、お互いを想い合っているのは間違いないんだろうけど……。

数時間前の記憶が、彼の脳裏に蘇る。まだ正体が分からない自分に向けられていた、明確な敵意を持ったネスの視線が。

そして、そんなネスに庇われていたのがポーラだ。あれを見れば、誰だって容易に推測出来る事である。

――……厄介なのは、片方が無自覚って事か……。

「ジェフ?」

「へ? あ、ああ、悪い。ちょっと考え事してた」

知らず知らずの内に物思いに耽っていたジェフは、ネスの訊ねる声に我に返る。

そして、軽く咳払いをするとネスに言った。

「とにかく、気にする必要はないと思うよ。……というか、どっちかというと一緒に閉じ込められた方が問題だろ?」

「っ!……そう……だよね……もうこんな事はしないようにしないと……絶対に……!」

「あ……ああ、まあ……頑張れよ」

ジェフとしては再びからかうつもりだった言葉だったのだが、ネスはまたしても気真面目に受け止め、神妙な顔で呟くと同時に拳を握りしめる。

そんな彼に、ジェフは軽くたじろぎながら曖昧な言葉を返すしかなかった。

――こりゃまた、退屈しない旅になりそうだな。願わくば、変な方向に拗れない事を祈るよ。

今まで経験する事は勿論、見聞きする事すらなかった色恋沙汰が突然眼前に現れた事に、彼は心からそう思う。

当事者でないのが良かったのか、或いは逆に悪かったのか。今は分からないが、とにかくこの先色々と二人のフォローが必要になるのではと、聡明な彼は漠然とだが感じ取っていた。

――――それと同時に、胸の奥に微かな微かな痛みが生まれたのも。

「……っ……」

「ジェフ? どうしたの? 具合悪いの?」

「いや、なんでもない。それよりネス、君もそろそろ寝た方が良いよ。まだ体力も気力も万全じゃないだろ? 僕も独り言は控えるから、少しでも長く休むべきだよ」

「え、あ……うん、そうだね。そう言われると、急に眠く……ふわあ〜……」

大きな欠伸をしたネスは、その直後ベッドに横たわると、ものの数秒としない内に寝息を立て始める。

あまりの寝つきの良さに驚き口を開けて硬直してしまったジェフだが、やがてそれは苦笑へと変わり、彼は思わず笑い声を漏らした。

「なんというか、今までに見たことのないタイプの人間だな」

決して不快には思わない。むしろ興味深いと思うし、これから少しでもネスの事を知っていきたいと思う。

だが、ふと胸に去来した感情にジェフは表情を曇らせ、ポーラへと視線を映した。

「…………」

瞳を閉じ、静かに寝息を立てて眠る彼女の顔は、まるで天使の様に可憐である。こんな彼女に微笑みを向けられた先程、不覚にも胸が高鳴ってしまった自分に、ジェフは呆れる。

――僕も男だったってわけか……けどまあ、早めに諦めがついて良かったよ。変に期待を持たされると、後々辛いからな。

それは半分程自嘲が込められていたが、紛れもないジェフの本音だった。

『ひょっとしたら僕、お邪魔なんじゃないかなって』

からかい混じりで言った自分の言葉が蘇る。そして、その言葉を聞いたポーラが見せた反応も。

「……本当……変な方向に拗れない事を祈るよ……」

 

 

 

 

 

――――そんなジェフの祈りも虚しく、厄介な問題に彼らが直面するのは……もう暫く経ってからの事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  

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